(2)出場犬資格は全国18ブロックで行われた競技会の一席犬18頭に前年度のチャ
    ンピオン1頭、それに各ブロックの二席犬の中から得点の高い方から11頭選び
    合計30頭で競技を行った。また出場犬の突然の不出場にそなえ予備として2頭
    が目録に掲載されている。

 (3)出場犬種については頭数順に
    8頭 ゴールデン・レトリーバー
    5頭 フラット‐コーテッド・レトリーバー
    3頭 ボーダー・コリー
     〃 リーゼンシュナウザー
     〃 ジャーマン・シェパード・ドッグ
    2頭 ラブラドール・レトリーバー
     〃 ロットワイラー
    1頭 オーストラリアン・ケルピー
     〃 ホフヴァルト
     〃 ジューラン・ショートヘアード・ポインター
     〃 スウィーディッシュ・ヴァルハウンド
    であった。
    スウェーデンにおけるレスキュードッグの優秀犬種としてレトリーバー3犬種と
    ジャーマン・シェパード・ドッグ、ボーダー・コリーであると説明されたが、
    今回の出場犬を見ても小型犬が1頭だけ(スウィーディッシュ・ヴァルハウンド
    ‥‥ウェルシュ・コーギーに似た体高31〜35センチの犬)しかおらず、捜索
    範囲の広さや制限時間、瓦礫の高低から小型犬には不利な点が見受けられた。

 (4)前日の説明及び抽選
    サルテマズ・キャンピングにて開会式が催され、視察団の紹介ならびにJKC理
    事長杯の寄贈が行われた。仮設テントでの式であり暖房は無く、寒さに耐えなが
    ら全員ネクタイ着用でクラブ会員と同席して開会を祝った。
    競技会特有のピリッと張りつめた緊張感はなく、笑い声もあり終始リラックスし
    て競技についての質疑応答や出場順番の抽選を行ったり、参加賞を受け取ったり、
    飲食したりと和やかな雰囲気であった。

 (5)競技会運営、スタッフ、スケジュールの進行
    競技は5頭を1グループとして、第1日目はそれぞれ3種目に別れて朝6:30か
    ら夕方6:00までタイムテーブルに従い実施された。
    会場が離れていても輸送体制が整っており30頭の競技に余裕すら感じられた。

    全国に審査員は35名おりその内約10名は女性であり、女性ハンドラーが
    多いのも目に付いたし、成績でも1、2、3席が女性ハンドラーであった。
    審査員の人選はSBKで決定するのだが、日当が250sクローネ(約4000円)
    で、その内30%が税金として徴収される。今回の8人の審査員、25名のヘル
    パーなど、約100名の人員を動員しており少し多いのではと思うが、ほとんど
    が無報酬のボランティアであった。又出場ハンドラー全員がアマチュアで趣味で
    レスキュードッグをやっているとのこと。

    競技中ハンドラーや犬が負傷した場合、1000sクローネ(約15,000円)までは
    自己負担であるが、それ以上の場合主催者が援助するのも、社会保障制度の進ん
    だスウェーデンでは当然の事なのか。

 (6)競技会場について
    会場はボラスの町から8km離れた森に、軍施設の払い下げで広大な敷地が有り
    周りに民家なども無く、騒音、煙りなどに神経を使うことが無いのである。

    広域の探索(AREA SEARCH)施設には、飛行機、客車、コンテナ、
    自動車、土砂、倉庫、廃材、ヒューム管、大型ゴミ箱等あらゆる物が設置され
    何処にでも疑似遭難者を入れることが出来る。