アジリティー規程  改正 2012年2月2日 改正部分は青色表示
第1章総則

第1条 この規程は、定款第28条(4)により、アジリティー競技について定める。



第2章 コース
(競技リング)
 第2条 競技を行なうリングは、最低24m× 40mの広さを必要とし、リング内に設置されるコースは、
 最低20m× 40mの広さを必要とする。
表面が滑りやすい素材で覆われていたり、くぼみによって、
 出陳犬及び指導手に危害を与えるようなものであってはならない。

 2 リングを複数設置する場合には、リング間に通過できない仕切りを立てるか、10m程度の間隔を
 置かなければならない。

(コース)
 第3条 コースは、次の要領により担当審査員が設計する。
 (1)コースの長さは、10cm以上200m以内とする。
 (2)障害の数は、15個以上22個以内とする。
 (3)障害の内、7個以上はジャンプ障害としなければならない。
 (4)最低8個以上のハードルを含んでいなければならない。
 (5)連続する2つの障害の間は、カテゴリーSで4~ 7m、カテゴリーM及びLで5~ 7m離さな
  ければならない。

第3章障害
(障害)
 第4条 競技に使用する各障害は、出陳犬に危害を及ぼすものであってはならない。
 (障害の種類と寸法)



 第5条 障害の種類と寸法は、次の通りとする。
 (1)一重ハードル。
 金属以外の木製または安全な合成物質のバーとし、パネル、ゲート、ブラシなどを取り付けたハ
 ードルで、取り付けたバーやパネルは容易に取り外すことができることとする。バーは、最低3
 部分の対比色であるべきであり、
バーの高さと幅は次の通りとする。
 高さ S:25~ 35cm
    M:35~ 45cm
    L:55~ 65cm
   
 幅  最小で1.20m 最大1.50m

 (2)二重ハードル(スプレッド・ジャンプ)。
 前号の一重ハードルのうち、バー付ハードルを使用し、2つ組み合わせて構成する。それぞれの
 高さの差は15~ 25cmとし、高いバーを後ろに置く。高いバーの高さは一重ハードルに準じ、全体
 の合計幅は次の通りとする。
 全体の合計幅 S:30cm M:40cm L:55cm

 (3)ウォール(壁)。
 ウォール部分に、 トンネル形の開口部を1~ 2個所設けることもでき、上部に「∩」の形をした
 取り外し可能なユニットを取り付ける。柱の高さは最低1mで中央パネルに連結してはならず、
 柱の幅と奥行きは、最低20cm、最大40cmとする。

 高さ 一重ハードルに準じる。
 幅 最小で1.20m 最大1.50m
 ユニットの高さ 最低10cm 厚さ 約20cm


 (4)テーブル。
 一辺が0.90m~ 1.20mの正方形で、高さは、SとMが35cm、Lが60cmとし、表面が滑りにくく安
 定したものでなければならない。電動計時装置(5秒間のカウントの終了時に音声で合図される
 物)をテーブルに埋め込むか、表面に設置しなければならない。ただし、この場合各辺の端から
 10cm以内に設置してはならない。テーブルのコーナーは、犬にとって危険であってはならず、ま
 た脚は、犬がテーブルの下を通る妨げになってはならない。テーブルの側面は、表面と対比色で
 なければならない。




 (5)ドッグ・ウォーク(歩道橋)。
 最高部の高さは、1.20m~ 1.30mとし、各傾斜路の下部90cmを接触部分とし、側面も含め異なる
 色で着色する。また、各傾斜路には、犬が滑らず容易に登れるようにするため、約25cm毎の等問
 隔に幅2 cm、厚さ5~ 10mmで、先端が鋭くなっていない滑り止めの板を取り付けることとする。
 ただし、接触部分の始まりから10cm以内に取り付けることはできない。また、接触部分に電子コ
 ンタクトを使用しても良い。脚及びその他の支持構造は、 ドッグ・ウォークの下にトンネルを安
 全に設置するための妨げになってはならない。
各傾斜路並びに歩行路の長さと幅は、次の通りと
 する。
 長さ 3.60m~ 3.80m
 幅 30cm

 (6)シーソー。
 表面は、滑りにくくしなければならないが、 ドッグ・ウォーク(歩道橋)のように滑り止め板を使
 用してはならない。また、両端から90cmまでを接触部分とし、側面も含め異なる色で着色する。
 シーソーの下りの接触部分の真ん中に1 kgのおもりを載せたとき、2~ 3秒以内に板が傾くよう
 調整されていなければならない。また、接触部分に電子コンタクトを使用しても良い。板の長さ
 と幅、中央軸の高さは、次の通りとする。
 長さ 3.60m~ 3.80m
 幅 30cm
 中央軸の高さ 地面から板の頂点までは60cmとする。

 (7)Aフレーム。
 2つの傾斜路でA形を成し、頂点は犬に危険とならないよう、必要があれば覆いを被せなければ
 ならない。各傾斜路の下部1.06mを接触部分とし、側面も含め異なる色で着色する。また、各傾
 斜路には、犬が滑らずに容易に登れるようにするために、約25cm毎の等間隔に、幅2 cm、厚さ5
 ~10mmで先端が鋭くなっていない滑り止めの板を取り付けることとする。ただし、接触部分の始
 まりから10cm以内に取り付けることはできない。また、接触部分に電子コンタクトを使用して
 も良い。脚及びその他の支持構造は、Aフレームの下にトンネルを安全に設置するための妨げに
 なってはならない。
傾斜路の長さと幅、頂点までの高さは、次の通りとする。
 長さ  2.65m~ 2.75m。 幅 90cmとし、基底部は1.15mまで広げることができる。
 頂点の高さ  開いた状態で地面から1.70m、角度は101.5°

 (8)ウィービング・ポール(スラローム)。
 ポールの数は12本とし、ポールの間隔は60cmとする。ポールは金属以外の本製または安全な合成
 物質とし、
次の大きさのものを使用する。
 直径  3~ 5 cm  高さ 1~ 1.20m
 フレーム  幅8 cm以下  厚さ8mm以下

 (9)チューブ・トンネル。
 直径60cm、長さ3~ 6mで、 1つ以上のカーブがつくることのできる柔軟な構造であることとす
 る。



 (10)フラット(柔)・トンネル。
 入口は、頑丈な構造で、奥行き90cm、高さ60cm、幅60cm~ 65cmとし、出口は、柔軟素材で構成さ
 れ、直径60cm~ 65cm、長さ2.5m~ 3.5mとする。
 可能であれば出口を留め具で固定し、個々の留め具の間隔は50cm以下とし、あらゆるサイズの犬
 が容易に抜けられなければならない。入口は固定されていなければならず、床面は滑らない材質
 でなければならない。また、入口の縁は保護材でカバーされていなければならない。


 (11)タイヤ。
 開口部の直径は、45~ 60cmとし、地面から開口部中央までの高さは、SとMを55cm、Lが80cmと
 する。タイヤの高さは、チェーンあるいはロープにより調節できるものとし、固定してはならず、
 安全上の理由から、タイヤの下半分は閉じているか、詰め物で満たされてなければならない。
 分離式タイヤを使用しても良い。この障害の設置基底部の幅は、カテゴリーLの場合約1.5×地
 面からタイヤの頂点までの高さでなければならず、フレームの幅は、1.50mを超えるべきではな
 い。タイヤの外側からフレームまでの幅は、最低15cmを必要とする。
 タイヤの幅  最低8 cm  最大18cm


 (12)ロング・ジャンプ。
 2~ 5個のユニットで構成し、ユニットは、幅1.20m、奥行き15cmで、少し傾斜があり、最も低
 いユニットの高さを15cm、最も高いユニットの高さを28cmとする。ユニットは、低いものから順
 に配置され、長さとユニット数は次の通りとする。
 S:40~ 50cm(2ユニット)
 M:70~90cm(3~ 4ユニット)
 L:1.20~ 1.50m(4~ 5ユニット)
 
 この障害の四隅すべてに、高さ約1.20m以上のコーナー・ポールを設置し、どのユニットにも固
 定してはならない。また、必要ならば、犬と指導手の安全のために、これらのポールの上部に覆
 いを被せなければならない。コーナー・ポールは、審査の補助的なものであり、ロング・ジャン
 プの一部として考慮されない。


 (13)スタート及びゴール。
 スタートライン及びゴールラインは、それぞれ最初と最後の障害か1m以内に設置し、目印と
 なるポールの間は、ハードルのバーの長さに左右各50cm加えた長さとする。
 スタートラインは、日印となるポールの延長線上とし、ゴールラインは、目印となるポールの間
 とする。
 スタート地点ゴール地点ともに、犬にとって十分な広さとして、少なくとも6mを必要とする。



第4章審査

 (コース検分)
 第6条 主催者は、競技開始前にコースが設置されたリング内に指導手のみ入れ、検分させなければなら
 ない。

 第7条 審査員は、競技開始前に、競技会の性質、コース標準タイム、リミットタイム、採点方法につい
 て指導手に説明しなければならない。

 (テストハンドリング)
 第8条 テストハンドリング(モデル犬による試走)は、主催者の任意により実施することができる。

 (コース図配布の規制)
 第9条 コース図は、競技開始前に発表し又は配布してはならない。なお、競技終了後に配布する場合、
 当該審査員の許可を得なければならない。

 (コース標準タイム)
 第10条 コース標準タイムは、担当審査員が当該コースに対して、競技会の水準、コースの難易度及び競
 技場の地面の状態によって選定された旋回スピードに従って決定する。

 (リミットタイム)
 第11条 リミットタイムは、担当審査員がコース標準タイムの1.5倍~ 2倍の中で設定される。



 (指導手の注意事項)
 第12条 指導手は、競技中次の各事項を遵守しなければならない。
 (1)審査に対し、異議を申し立ててはならない。
 (2)出陳犬に、競技中リードや首輪など一切装着してはならない。
 (3)指導手は、競技中、手に何も持ってはいけない。
 (4)競技中に、指導手は、故意に出陳犬に触れたり、競技を中断させてはならない。
 (5)指導手が、障害に触れたり、障害を通過してはならない。

 (障害上の注意事項)
 第13条 競技上、各障害の次の点に注意して行う。
 (1)アジリティー1度のコースには最大3つのタッチ障害を使用する。アジリティー2度・3度の
  コースには最大4つのタッチ障害を使用する。
 (2)テーブルでは、出陳犬がテーブルに上がった時点から5秒間カウントする。その間、出陳犬は
  どのような姿勢でも構わない。
 (3)ウィービング・ポールで、第一ポールは犬の左側、第ニポールは右側となるように交互に通過
  していかなければならない。
 (4)スプレッド・ジャンプ及びタッチ障害はコースの最初あるいは最後の障害として設置してはな
  らない。
 (5)スプレッド・ジャンプ、タイヤ及びロング・ジャンプは、常にその前の障害の直線上に設置し
  なければならない。
 (6)削除
 (7)1度では、スプレッド・ジャンプは使用してはならない。
 (10)最初と最後の障害は、ハードルでなければならず、最初のハードルは一重ハードルにすべきで
  ある。
 (11)ウィービング・ポールとタイヤは、 1回の競技中1回のみクリアするものとする。

 (競技時間の計測)
 第14条 競技時間の計時は、犬がスタートラインを越えた時点から開始し、ゴールラインを通過した時点
 で終了し、 1/100秒まで計時する。
 2 前項において、指導手がスタートラインを示すポールの間を通過した時も、計時は開始される。
 
 (タイム減点)
 第15条 競技時間が、コース標準タイムを超えた場合1.00秒であれば1.00点の減点が課せられる。



 (失敗による減点)
 第16条 次の各号に該当した場合、失敗となり、それぞれ減点が課せられる。
 (1)指導手が、故意に障害に触れた時。 1回に付5点の減点。
 (2)指導手が、自分の犬または障害に触れて、有利な状況を導いた場合、その都度減点となる。
   1回に付5点の減点。

 (3)指導手が、スタート・ゴールを示すポールの間を通過した時。通過した時点で5点の減点。
 (4)出陳犬が、次の障害をクリアする前に、障害を倒したり又は落としたりした時。 1回に付5点
  の減点。
 (5)接触部分の定められている障害の接触部分に触れなかった時。 1回に付5点の減点。
 (6)テーブルで、審査員の指示前に犬がテーブルを離れた時。離れた時点で5点の減点。
 (7)テーブルで、犬がテーブル上より滑り落ちた時。落ちた時点で5点の減点。
 (8)シーソーで、板が地面に着く前に、跳び下りた時。跳び下りた時点で5点の減点。
 (9)ロング・ジャンプで、ユニットの1つを傾けたり、倒したり、構成ユニット間に犬の足が着地し
  た時。着地した時点で5点の減点。
 (10)ウィービング・ポールで、ポールを正しく通過しなかった時。なお、2回日以降の失敗は1回
  のみの減点とする。
 (11)コース上で重複して使用するハードルを通過する際、最初に通過するハードルのウイング部分
  を倒した時。
 (12)分離式タイヤで、犬が通過した際に接触によリタイヤが分離した時。



 (拒絶による減点)
 第17条 出陳犬が次の各号に該当した場合、拒絶となり、 1回に付5点の減点が課せられる。
 (1)各障害の前やコース上で立ち止まった時。
 (2)コースから逸走したり、障害の横を通り過ぎた時。
 (3)タイヤの開口部ではなく、外枠の間を通過した時。
 (4)ロング・ジャンプを歩いて通過したり、側面に跳び出たり、側面から入ったり、走り抜けたり
  した時。
 (5)チューブ・トンネル、フラット・トンネルでトンネル内に頭部、または足を入れた後に戻った時。
 (6)ウィービング・ポールで、入口に頭部・前肢を入れた後に戻った時。
 (7)テーブルに、犬がテーブルヘの進行方向とは逆の方向より上がった時。
 (8)テーブルの下を通過した時。
 (9)ドッグ・ウォーク、Aフレームで、全ての足が下り傾斜路にかかる前に跳び下りた時。
 (10)シーソーで、中央軸を越える前に跳び下りた時。
 (11)ウィービング・ポールで、入口を間違えた時。
 (12)スタートの合図後に、指導手がスタートラインを通過し、再度スタートラインを越えて戻った
  時。



 (失格)
 第18条 次の各号に該当した場合、失格となる。
 (1)3回目の拒絶を宣告された時。
 (2)競技時間がリミットタイムを越えた時。
 (3)出陳犬が、障害順を誤って競技したり、通過し忘れた時。
 (4)指導手が、障害を通過したり、障害の上や下を通過した時。
 (5)指導手が、審査員の指示なしに競技を中断した時。
 (6)出陳犬が、競技中リング内で糞尿をした時。
 (7)出陳犬が、指導手の指示に従わず、競技中リング外に出たり、制御不能になった時。
 (8)出陳犬が、障害を誤って反対方向から通過した時。
 (9)出陳犬が、審査員のスタートの合図の前に、スタートラインを越えた時。
 (10)指導手が、テーブルに設置されている電動計時装置を作動させた時。
 (11)テーブルで、審査員から合図が出される前に出陳犬がテーブルを離れ、次の障害を行った時。
 (12)ウィービング・ポールで、3ゲート以上を逆走した時。
 (13)ウィービング・ポールを、正しく通過せずに次の障害を行った時。
 (14)指導手が、審査員に対し不適切な態度・言動を行った時。
 (15)指導手が、出陳犬に暴力を振るったり、手荒く扱った時。
 (16)出陳犬が、首輪を付けたまま競技を行った時。
 (17)指導手が、手に物を持ったまま競技を行った時。
 (18)犬又は指導手が、障害を正しく行えないようにしてしまったと、審査員が判断した時。
 (19)犬が絶えず指導手に攻撃的である時。
 (20)分離式タイヤで、接触等によリタイヤが分離した際、犬が通過を拒絶した時。



第5章雑則

 (規程の改廃)
 第19条 この規程の改廃は、必要に応じて中央アジリティー委員会に諮問し、その答申を経て、理事会の
 議決によって行う。

 付 則
 この規程は、2002年1月1日から施行する。
 改正 2007年1月23日
 改正 2011年3月31日
 改正 2012年2月2日