フライボール規程  改正 2011年9月8日





第1章総則

第1条 この規程は、定款第28条(4)により、フライボール競技について定める。

第2章 コース

(競技リング)
第2条 競技を行うリングは、最低25m× 10m以上とする。
  2 リングは、ネット又はフェンス等の適切な手段で囲むこととする。

(レーン)
第3条 レーンの構成は、次のとおりとする。
(1)スタート・フィニッシュラインの手前に6mの助走区間を設けなければならない。
(2)スタート・フィニッシュラインから第1ハードルまでの距離は1.8mとする。
(3)4台のハードルは、各3mの間隔で設置しなければならない。
(4)第4ハードルからボックスペダルまでの距離は4.6mとする。
(5)2つのレーンの間隔は最低3m、最大6mとし、レーンの幅は90cmとする。

 2 個人競技において、ヒートで使用するレーンは、予め主催者によって決定する。なお、ヒート毎
  のレーン変更は行わず、同一レーンで行なうこととする。
 3 チーム競技において、ヒートで使用するレーンは、競技開始前に抽選によって決定する。なお、
  ヒート毎のレーン変更は行わず、同一レーンで行なうこととする。

(ハードル)
第4条 個人競技において、ハードルの高さは、スモール20cm、ミディアム30cm、ラージ40cmとする。な
     お、ハードルの高さには、上部カバーの厚みは含まないこととする。

 2 チーム競技において、ハードルの高さは、当該チームの中で最も体高の低い犬のカテゴリーの高
  さとする。






第3章 用具

(用具)
第5条 競技に使用する各用具は、出陳犬に危害を及ぼすものであってはならない。
第6条 原則として本会指定の用具とする。
  2 ボックス及びボールは、各チームが用意する。
第7条 主催者は、予備の用具及び個人競技用のダミー犬を用意しなければならない。

(用具の種類)
第8条 用具の種類は、次のとおりとする。
 (1)ハードル。
  危険防止のため、ハードルの上部はカバーを被せなければならない。
 (2)ボックス。
  ボールの飛行曲線においては、ボックス上部のソフトカバーに触れてはならない。なお、基板の
  長さは60cmから65cmとし、幅は30cmとする。
 (3)バックストップ・ボード。
 (4)スタート・フィニッシュポール。
 (5)ジャッジパネル。
 (6)ボール。
  原則として、空気の抜けていない正規のテニスボールとする。但し、犬のサイズを考慮し、危険
  性のない弾むボールで、審査員長が認めた場合使用することができる。
第9条 出陳犬の首輪は、競技中に危険が及ばないことを原則とし、緩んだ状態が維持できる平首輪(フ
  ラット・カラー)及び胴輪(ハーネス)とする。





第4章  競技構成

(チーム競技)
第10条 1チームは、4名のハンドラー及び4頭の犬とする。
 2  チームは、予備の犬を少なくとも1頭以上用意する。
 3  各チームの代表者は、競技開始前にハンドラー名及び出陳犬名を主催者に提示しなければならな
   い。
 4 止むを得ない理由により、ハンドラー又は出陳犬を変更する場合は、競技開始前に主催者又は審
  査員長に報告しなければならない。

(個人競技)
第11条 個人競技は、1名のハンドラー及び1頭の犬とする。
 2 ハンドラーは、競技開始前にハンドラー名及び出陳犬名を主催者に提示しなければならない。

(ボックスローダー)
第12条 競技には、1名のボックスローダーを必要とする。
 1 競技におけるボックスローダーは、原則として当該チーム及び当該出陳者が用意する。
 2 主催者は、予めボックスローダーを用意しなければならない。
 3 ボックスローダーは、ボックスの後部末端に両足が触れる場所に位置し、ボックスにボールをセ
  ットする時及び転がったボールを回収する時を除き、直立して手を後ろに組んでいなければなら
  ない。
 4 ボックスローダーは、声援により犬を勇気づけることができる。
 5 ボックスローダーは、審査員によりそのヒートが終了したことが宣言されるまで、所定の位置を
  離れてはならない。

(ヘルパー)
第13条 各チームは、ボールの回収及びハードルの設置を行うヘルパーを用意することができる。

第5章 審査員の職務

(審査員の種類)
第14条 審査員は、メインジャッジ、ラインジャッジ及びボックスジャッジの3種類とする。
 2 審査員長は、メインジャッジを務める。

(メインジャッジの職務)
第15条 メインジャッジは、原則として2つのレーンの間、且つスタート・フィニッシュラインに位置す
  る。ただし、必要があると考えられる場合は、位置を変更することができる。
 2 メインジャッジは、ヒートの勝敗、中止及び失格を判断することとする。
 3 メインジャッジは、ヒートの勝敗を決定する前に、他のジャッジと協議することができる。
 4 ヒートの終了、中止及び失格の合図は、笛を使用する。

(ライン・ボックスジャッジの職務)
第16条 ラインジャッジは2名とし、スタート・フィニッシュライン端に向かい合うように位置し、各レ
  ーンを担当する。
 2 ラインジャッジは、タイムキーパーを兼任する。
 3 ラインジャッジは、タィムの計測、スタート・フィニッシュラインにおける適切な通過確認を行
  う。
 4 ボックスジャッジは2名とし、ボックス脇に向かい合うように位置し、各レーンを担当する。
 5 ボックスジャッジは、犬がボックスペダルを踏んでボールを咥えたか、ボックスローダーに違反
  行為がないか及びハードルの跳び越し確認を行う。
 6 ラインジャッジ及びボックスジャッジは、出陳犬又はチームのメンバーによる違反行為があった
  場合は、旗を上げてメンバーに知らせなければならない。



第6章 ヒート

(ヒート)
第17条 チーム競技のヒートは、2チームにより行われる。
 2 ヒートのスタートは、メインジャッジの合図で開始される。
 3 スタートの合図の前に犬の身体のいずれかの部分がスタート・フィニッシュライン(2本のスタ
  ートフィニッシュポールを結ぶ架空の線)を越えた場合は、再度スタートする。ただし、二度続
  いた場合は、当該犬はフライングと判断される。
 4 犬は静止した体勢、又はランニングの体勢からスタートすることができる。
 5 犬は4つのハードルを眺び越え、ボックスのペダルを踏み、ボールを咥えたまま4つのハードル
  を跳び越え、戻って来なければならない。
 6 走行中の犬の身体の一部がスタート・フィニッシュラインを越えた時、次の犬がスタートするこ
  とができる。万一、これに違反した場合、当該犬はフライングと判断される。
 7 走行中の犬がハードルを転倒させた場合、そのハードルが立っていると仮定して跳び越えていれ
  ば失敗とならない。ただし、メンバーは走行の妨害又は誘導とならない限り、ハードルを立て直
  すことができる。
 8 4頭目の犬(又は、再度走らなければならなかった犬)の身体の一部がフィニッシュラインを先
  に通過したチームが、そのヒートの勝者とする。
 9 ヒートを3回行った内、2回勝ったチームがその競技の勝者となる。
 10 ヒートの終了は、両チームの4頭目の犬がフィニッシュした時とする。

第18条 個人競技のヒートは、タイムトライアルにより行われる。
 2 ヒートのスタートは、メインジャッジの合図で開始される。
 3 スタートの合図の前に犬の身体のいずれかの部分がスタート・フィニッシュラインを越えた場合
  再度スタートする。ただし、二度続いた場合は、当該ヒートは無効と判断される。
 4 犬は静止した体勢又はランニングの体勢からスタートすることができる。
 5 犬は4つのハードルを眺び越え、ボックスのペダルを踏み、ボールを咥えたまま4つのハードル
  を跳び越え、戻って来なければならない。
 6 走行中の犬がハードルを転倒させた場合、そのハードルが立っていると仮定して跳び越えていれ
  ば失敗とならない。ただし、メンバーは走行の妨害又は誘導とならない限り、ハードルを立て直
  すことができる。
 7 犬の身体の一部がフィニッシュラインを通過した場合に、ゴールとする。
 8 ヒートを3回連続行った内、最も速いタイムを当該犬のベストタイムとする。
 9 ベストタイムによって、成績を決定する。
 10 妨害により、当該ヒートのタイム計測ができなかった場合は、ダミー犬と当該ヒート及び残りの
   ヒートを行う。

(違反)
第19条 チーム競技において、次の各号の一に該当した場合、当該犬はチームの最後尾で再度走らなけれ
  ばならない。
 (1)出陳犬がフライングと判断された場合。
 (2)出陳犬がいずれかのハードルを跳び越えなかった場合。
 (3)出陳犬がボックスのペダルを踏まなかった場合。
 (4)出陳犬がボールを咥えずにフィニッシュラインを通過した場合。
 (5)ハンドラーの足がスタート・フィニッシュラインを越えた場合。ただし、ハードルを立て直す
  場合又はボールを拾う場合を除く。
 (6)ハンドラー又はボックスローダーによるアシストがなされた場合。

(ヒートの中止)
第20条 次の各号の一に該当した場合、当該チーム又は当該犬のヒートは中止とする。
 (1)出陳犬が競技に意欲を見せない場合。
 (2)出陳犬がレーンに排泄した場合。
 (3)出陳犬が逸走した場合。
 (4)出陳犬又はチームのメンバーが一方の出陳犬、またはチームを妨害した場合。ただし、出陳犬
  がこばれたボールを追うことは妨害と見なされない。
 (5)メインジャッジが、中止と判断した場合。

(失格)
第21条 次の各号の一に該当した場合、当該犬又は当該チームは失格となる。
 (1)出陳犬又はチームのメンバーによる妨害が度重なった場合。
 (2)メインジャッジが、失格と判断した場合。

(規制)
第22条 ハンドラーは、次の行為を行ってはならない。
 (1)審査員に対する暴力行為及び暴言。
 (2)出陳犬に対する暴力行為。
 (3)審査中の関係者に対する抗議行為。






第7章雑則

(規程の改廃)
第23条 この規程の改廃は、必要に応じてフライボール小委員会に諮問し、その答申を経て、理事会の議
  決によって行う。

付 則
この規程は、2007年1月23日から施行する。
改正 2008年3月27日
改正 2011年9月8日